瓦が語る日本史

中世寺院から近世城郭まで

かつては重要な建物にだけ葺かれた瓦。造瓦の変遷を、瓦工集団の発展を辿り豊富な図版を交えて描く。組織で異なる鬼瓦の形態も解明。

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著者 山崎 信二
ジャンル 日本史  > 通史
考古学  > 考古学一般
各テーマ史  > 建築史・技術史
出版年月日
出版年月日とは
製本所から販売会社(取次店)様への、初回搬入年月日を表示しております。書店様毎の着荷日(発売日)は地域等によって異なりますので、予めご了承くださいませ。
2012/06/21
ISBN 9784642080781
判型・ページ数 四六・268ページ
定価 3,520円(税込)
在庫 在庫あり
瓦が語る日本史

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内容紹介
目次

今では「瓦礫(がれき)の如く」と、瓦は価値のない物のたとえによく使われるが、時代を遡るほど重要な建物にしか葺(ふ)かれていなかった。大陸より伝わり、日本独自のスタイルを確立した造瓦の変遷を、瓦工(かわらこう)集団の発展を辿りつつ、豊富な図版を交えて描く。東大寺や安土城などに使用されたさまざまな瓦を分析し、組織ごとに異なる鬼瓦の形態も解き明かした労作。

【編集者の眼】
 古代に中国から伝わった瓦であるが、中・近世にはどういった展開を見せるのだろうか。
 文字瓦と呼ばれるヘラ書きが施された瓦や、軒丸瓦に描かれた文様から、製作をになった職人集団の動きに注目し、中・近世における全体像を明らかにしようというのが本書のねらいである。
 中世での瓦生産の変化は、平重衡によって焼き払われた東大寺・興福寺の再建のなかに始まった。東大寺は権限を持った重源の差配により備前から運ばれたという。 また、興福寺では大和の集団が従事し、技術の進歩が見られた。
 なんといっても、戦国時代の白眉は、天主閣で知られる安土城の金箔瓦であろう。この時代には、大和の瓦工はすでに没落しており、播州の大工集団が活躍した。特に、幅2~3ミリの細かい金箔を漆でばらまく様に付して装飾する技法は秀逸である。
 小さな瓦片から描かれるダイナミックな世界を是非味わっていただきたい。(千)

はじめに/Ⅰ 中世の瓦生産への変化(東大寺再建過程での瓦調達法/興福寺再建における造瓦/法隆寺大修理における造瓦/鎌倉後期・南北朝期の大和の瓦工/中世京都と鎌倉の造瓦/中世和泉の造瓦)/Ⅱ 中世的瓦大工の時代(大和の瓦大工橘氏/播磨の瓦大工橘氏/四天王寺住人瓦大工/播州英賀住人瓦大工)/Ⅲ 織豊期の大規模瓦生産(大和と播磨の瓦大工橘氏のその後/織豊期の四天王寺住人瓦大工とその後/織豊期の播州英賀住人瓦大工/安土城の造瓦/姫路城以前の瓦と姫路城造営時の瓦/大坂城の初期の瓦/聚楽第の瓦/肥前名護屋城の瓦と九州の城郭瓦/織豊期城郭瓦の特徴)/Ⅳ 江戸時代前期の瓦生産と御用瓦師の成立(御用瓦師寺島家―大坂と京都―/紀伊の寺島/名古屋城下の瓦生産/江戸の前期瓦/甲府城下の瓦生産/姫路城下の瓦生産)/むすび