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稲の大東亜共栄圏 352

帝国日本の〈緑の革命〉

稲の大東亜共栄圏

稲の品種改良を行ない植民地での増産を推進した「帝国」日本。台湾・朝鮮などでの植民地支配の実態と生態学的帝国主義の歴史を解明。

著者 藤原 辰史
ジャンル 日本歴史 > 通史・概説・歴史一般
シリーズ 歴史文化ライブラリー > 近・現代史
出版年月日 2012/08/21
ISBN 9784642057523
判型・ページ数 4-6・208ページ
定価 本体1,700円+税
在庫 在庫あり
 
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目次

稲も亦大和民族なり―プロローグ/「育種報国」の光と影 〈富国〉と天皇(諸技術の司令塔としての育種/〈富国〉と農民)/〈陸羽一三二号〉の伝播 賢治の米の植民地(〈陸羽一三二号〉の登場/〈陸羽一三二号〉への熱狂と反発/満洲の〈陸羽一三二号〉と〈農林一号〉/朝鮮農事試験場と〈陸羽一三二号〉)/育種技師の自民族中心主義 永井威三郎と朝鮮(技術者と農村のギャップ/永井威三郎とは誰か/文化戦と食糧戦のはざまで)/蓬莱米による「緑の革命」 磯永吉と台湾(蓬莱米とは何か/台湾農民の蓬莱米への違和感/磯永吉と政治/蓬莱米から「緑の革命」へ)/品種改良による統治「緑の革命」の先駆的形態(科学技術史の一国史観を超えて/日本植民地育種の遺産)/日本のエコロジカル・インペリアリズム―エピローグ

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内容説明

稲の品種改良を行ない、植民地での増産を推進した「帝国」日本。天皇制のシンボルとして国家の統一性を基礎づけたコメの新品種は、植民地統治にどう貢献したのか。台湾・朝鮮・満洲などでの農学者たちの奮闘と、普及の実態を描く。現代の多国籍バイオ企業による種子の独占にまで言及し、世界の「科学的征服」をもくろむ生態学的帝国主義(エコロジカル・インペリアリズム)に警鐘を鳴らす。

【編集者の眼】
  ブランド米がもてはやされる現代の日本で、その品種改良の歴史を顧みる人は少なく、ましてや、かつての帝国日本が、コメによる植民地支配を行なっていたことなど想像すらできないでしょう。 本書は、話題作『ナチスのキッチン』の著者が、日本におけるコメの品種改良の歴史を繙き、その光と影の実態を明らかにした一冊です。
 冷害に強いコメをめざし稲の品種改良に取り組む農学者や育種技師は、やがて「育種報国」のスローガンのもと、台湾や朝鮮など大東亜共栄圏でコメの増産を推進します。こうした〈緑の革命〉も、やがて「稲も亦大和民族なり」という言葉や、「米食民族」対「パン食民族」という図式で、「大東亜戦争」や植民地支配を正当化していくことになります。
 著者が「生態学的帝国主義」と呼ぶ科学的征服の野望は過去のものではありません。それは多国籍企業による植物遺伝子の支配・独占などに姿を変えて、現代も世界を覆いつつあるのです。 (糸)

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