消されたマッカーサーの戦い
日本人に刷り込まれた〈太平洋戦争史〉

マッカーサーの島嶼戦が除外され、GHQ内に対立を招いた太平洋戦争史。その確執から生じた「マッカーサーレポート」を検証する。
著者 | 田中 宏巳 著 |
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ジャンル | 日本歴史 > 通史・概説・歴史一般 |
出版年月日 | 2014/07/25 |
ISBN | 9784642082570 |
判型・ページ数 | 4-6・252ページ |
定価 | 本体2,800円+税 |
在庫 | 在庫あり |
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目次
内容説明
敗戦直後、アメリカが創り出し、日本人に刷り込まれた米海軍中心の〈太平洋戦争史〉。だが、南西太平洋で死闘を続けたマッカーサーの戦いがそこから除外されたため、GHQ内部に編集をめぐる対立を招いた。この確執の中、旧日本軍将校を巻き込み編纂された「マッカーサーレポート」を検証。戦後日本人を支配してきた太平洋戦争史の呪縛を解き放つ。
【編集者の眼】
毎年、八月になると戦争を扱った映画やドラマが放映される。真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦、硫黄島の戦い、沖縄戦……。太平洋戦争というと、多くの人たちがニミッツ麾下の空母機動部隊と日本海軍との華々しい戦いを思い浮かべると思う。
しかし、真に太平洋戦争の勝ち負けを決したのは、そうした海軍による決戦ではない。マッカーサーによる二年三ヵ月間にもおよぶニューギニア戦に代表される南太平洋の島嶼での消耗戦によるものであった。それなのになぜ、その勝敗を左右したマッカーサーの戦いがあまり知られていないのか。
連合国軍最高司令官マッカーサーの権力の拡大を望まないワシントンの米国政府の意向を受けて編纂された『太平洋戦争史』観の刷り込み。それに対抗し編纂した『マッカーサーレポート』とそれに参加した旧日本軍将校たちの思惑。戦後七十年が経ち、戦争経験者が少なくなってきた今、太平洋戦争を新たな視点から紐解いてみてはいかがだろう。(樹)
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