安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社
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明治絵画と理想主義

横山大観と黒田清輝をめぐって

明治絵画と理想主義

日本画と洋画の美学的背景を探り、明治後期の日本で西洋の理想主義がいかに受容されたのかを、近代美術の展開と合わせ検討する。

著者 植田 彩芳子
ジャンル 美術史 > 日本美術史
シリーズ シリーズ 近代美術のゆくえ
出版年月日 2014/11/04
ISBN 9784642038386
判型・ページ数 A5・244ページ
定価 本体4,200円+税
在庫 在庫あり
 
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目次

プロローグ 「理想」とは何か/理想主義をめぐる理論と実践(理想主義とイデア―フェノロサ「妙想」考/岡倉天心の課題制作の前提/意匠研究会(遂初会)の課題制作―明治三十年前後/日本美術院の課題制作)/横山大観筆《屈原》と「エクスプレッション」(横山大観筆《屈原》分析/画中人物の感情を描く/「エクスプレッション」をめぐって/小泉八雲「日本絵画論」とその影響/横山大観筆《聴法》における「エクスプレッション」)/「心持ち」をめぐって―黒田清輝と岡倉天心 (東京美術学校西洋画科カリキュラムの変容/黒田清輝と岡倉天心の意見の食い違い/その後の黒田清輝の理想画観)/黒田清輝筆《昔語り》の構造(《昔語り》の概要と「構想画」/構図の分析/木下杢太郎「京阪聞見録」)/黒田清輝筆《智・感・情》と美学(主題の典拠をめぐって/明治期の心理学史・美学史とスペンサー美学/黒田清輝筆《智・感・情》とスペンサー美学)/エピローグ 「理想」をめぐって

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内容説明

明治絵画史における「理想」とは何か。日本画家の横山大観、洋画家の黒田清輝の絵画を中心にその美学的背景を探り、明治後期の日本で西洋の理想主義がどのように受容されたのかを、近代美術の展開と合わせて検討する。理想主義的な絵画制作を志向した二人の試みがいかに交錯したか、「妙想」「エクスプレッション」「心持ち」などのキーワードから迫る。

 

【編集者の眼】
 菱田春草の絵をみてきた。本書で取り上げた横山大観が、自分よりうまい、と評した日本画家である。黒猫の絵が有名だろう。大観とは友人で、共同制作の作品もあった。明治後期に活躍した人物であり、この時代に、どんな背景のなかで生きたのかと思いめぐらしつつの鑑賞となった。
 さて、本書では、明治後期の絵画をめぐる美学思想について、おもに日本画家の横山大観と洋画家の黒田清輝を対象に検討する。絵画と美学のかかわりという主題をみると難しそうに感じられるかもしれないが、美とは何か、どういったものが美しいのか、なんのための美か、という疑問は、古代ギリシャにまでさかのぼり、普遍的なテーマである。
 西洋思想である「理想主義」を、どのようにみずからの絵画で実践したのか、モチーフ、描かれ方など、さまざまな視点からよみとく。そして、もともと伝統的に根付いていた東洋の絵画思想といかに融合したのか、時代の思想動向にせまる。 (卯)

 

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