江戸時代の通訳官

阿蘭陀通詞の語学と実務

彼らはいかに異国の言葉を学んだのか。海外情報の翻訳、注文書作成、カピタンの江戸参府への同行など、苦闘する通詞の姿を追う。

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著者 片桐 一男
ジャンル 日本史  > 近世史
出版年月日
出版年月日とは
製本所から販売会社(取次店)様への、初回搬入年月日を表示しております。書店様毎の着荷日(発売日)は地域等によって異なりますので、予めご了承くださいませ。
2016/02/26
ISBN 9784642034722
判型・ページ数 四六・424ページ
定価 3,850円(税込)
在庫 品切れ・重版未定
江戸時代の通訳官

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内容紹介
目次

キリスト教の布教と密貿易とを防ぐために、江戸幕府は貿易相手のオランダに日本語の習得を禁じ、替わって日本側の通訳官〈阿(オ)蘭(ラン)陀(ダ)通(つう)詞(じ)〉の養成を急務とした。やり取りを担った彼らは、いかに異国の言葉を習得したのか。通訳をはじめ、貿易船の積荷や海外情報書類の翻訳、オランダ語での注文書作成、カピタンの江戸参府への同行など、苦闘する通詞の姿を追う。

【編集者の眼】
最近、東京本郷や谷中・根津・千駄木(いわゆる谷根千)の街で、外国人観光客を見かけることが多くなった。これもアベノミクスの外国人観光客誘致の一環なのだろうか。ラグビー・ワールドカップや二〇二〇年東京オリンピックに向けて、今後もますます増加するものと考えられる。航空路線をはじめとする交通機関の発達・整備により、世界は以前よりも身近になった。世界中から観光客のほかにも、外国人留学生やビジネスマンも来日する。このように外国の人たちが多くなると、コミュニケーションをとるために通訳をする人たちも必要になる。
それは、江戸時代でも同じことだった。当時、海外への窓口となっていた長崎出島で、阿蘭陀(おらんだ)通詞(つうじ)たちは活躍をした。その活動は、身に着けた語学力によって、外交だけでなく交易や医学、その他の学術など、さまざまな分野に及び、その活躍の足跡を追うことができる。長年、研究を重ねてきた碩学の集大成たる本書を是非、お読みいただきたい。(波)

はしがき/Ⅰ 阿蘭陀通詞とオランダ語(実務が育てる語学〈聞き分けられるか/読めるか、訳せるか/蘭訳はできるか、書けるか〉/南蛮から紅毛へ、語学条件の大転換〈南蛮人の活動と「ことば」「日本語」  /紅毛人の来航・活動、鎖国体制の完備と「ことば」の大転換〉/阿蘭陀通詞の育成〈通詞の養成/家業試験/通詞のオランダ語学習の順序/アベブック、レッテルコンスト/単語帳エンケル・ウォールド/会話書サーメン・スプラーカ/辞書編纂/オップステルレンと文法書〉以下細目略)/Ⅱ 長崎の阿蘭陀通詞(通詞採用の任命と辞令/職階と役料/職務と加役/通詞会所と通詞部屋/異国船と通詞)/Ⅲ 江戸の阿蘭陀通詞(江戸番通詞の参府御用/参府休年出府通詞の参府御用/天文台詰通詞の御用と私用/江戸からの出張通詞)/Ⅳ 多才で多彩な阿蘭陀通詞(二十三名の通詞たち/二十三通詞に対する短評)/おわりに