安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社
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禅僧たちの室町時代

中世禅林ものがたり

禅僧たちの室町時代

禅林の公務日記『蔭凉軒日録』ほかの史料の記事から、日本化しながら定着した室町禅林の多様な成熟と退廃を読み取り、実態に迫る。

著者 今泉 淑夫
ジャンル 日本歴史 > 通史・概説・歴史一般
宗教史 > 宗教一般
出版年月日 2010/09/29
ISBN 9784642080392
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 
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目次

禅林の成り立ち―序にかえて―(禅宗を伝えた僧/中国の禅僧たちの来日/禅宗寺院と朝廷・幕府/室町禅林の形成/禅林の慣例)/まぎらわしき―禅林における同名別人―(ふたりの「周琳」/禅林における喝食)/情をかける―「美丈」の少年僧―(風聞を記す/月江寿桂の得度)/法語の長き―禅林の学才と伝統―/暗記する―禅林の記憶力―(禅林における暗誦の習慣/褒貶の詩歌合/辞書の暗記)/詩の材料―禅林の日常と詩的世界―/揺らぎ―壊れゆく信仰の空間―(応仁の乱からの復興と禅林の退廃/行者の出院と家庭事情/修道の破綻/悪化する京の治安と寺の荒廃/師と弟子の不和/禅林から離れる僧/破壊された信仰の空間)以下細目略/老いる―「衰老」「退院」「示寂」―

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内容説明

室町幕府・将軍家・公家・武家・庶民に帰依されて発展した禅宗寺院。そこは中国から導入され日本化しながら育成された修道・修学の別世界であり、道に励む集団の中には堕落する者もいた。この隔離された複雑な空間で、僧たちはどのように生き、老いていったのか。禅林の公務日記『蔭凉(いんりょう)軒(けん)日録(にちろく)』ほかの史料に記された風聞や事件からその日常生活を描く。

【編集者の眼】
 中世の禅宗寺院(禅林(ぜんりん))にひっそりと語られた話。
昔、禁中(きんちゆう)に一人の老いた公家が参侍していた。皆が老体ぶりを笑うと老人は言い放った。「この老いぼれを笑った者は、それを思い知るまで長生きして見よ!」と。
 本書は、室町将軍が最大の外護(げご)者であった相(しよう)国(こく)じ寺をはじめとする五(ご )山(ざん)官(かん)寺(じ )の僧侶の実態を、日記に綴られた日常生活の記録から描き出している。僧の
入院(じゅえん)から退院(ついえん)・示寂(じじゃく)まで―寺入りから引退・死去まで―、法語など修道する姿が描かれる一方、博打(ばくち)で身ぐるみ剥がされたり、不仲の弟子に財宝を譲るものかと焼失させた僧など、緩みの部分も忘れない。
 読みにくい四字の禅僧名や特殊な用語で難解なイメージがある禅宗の世界だが、著者は、禅林を知るとっておきは、禅僧が「老い」と「死」をどう語ったかを見ることだという。冒頭の話は一例である。
 教団史でも高僧伝でもなく、小さな話題から明らかになった禅僧たちの姿に親近感を感じる書。(環)

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