日本歴史民俗叢書

物部の民俗といざなぎ流

病気治癒・家の神祭祀・祈雨の祈祷が伝わるいざなぎ流の特質を論じる。失われつつある自然への畏れと、その関わり方を問い直す。

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著者 松尾 恒一
ジャンル 民俗学  > 民俗学一般
地域 四国  > 高知県
シリーズ 民俗学  > 日本歴史民俗叢書
出版年月日
出版年月日とは
製本所から販売会社(取次店)様への、初回搬入年月日を表示しております。書店様毎の着荷日(発売日)は地域等によって異なりますので、予めご了承くださいませ。
2011/06/09
ISBN 9784642073707
判型・ページ数 A5・250ページ
定価 7,700円(税込)
在庫 品切れ・重版未定
物部の民俗といざなぎ流

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内容紹介
目次

高知県物部(ものべ)地域に、太夫と呼ばれる民間宗教者により、前近代より伝えられてきたいざなぎ流。現在でも病気治癒の祈祷や、家の神や咒詛(すそ)神(しん)・動物霊に対する祭儀が行われる。それらの諸祈祷について、山深い物部で活動した職能民の技術や祭儀との結びつきにも注目して論じる。失われつつある自然への畏怖や、関わり方を地域の民俗から問い直す。

【編集者の眼】
 いざなぎ流とは、山深い高知県旧ものべそん物部村に伝わる民間信仰のこと。仏教・神道・陰陽道などが混じり合った独特の信仰で、現在でも太夫と呼ばれる宗教者が依頼に応じて病気治癒・家の神祭祀などのきとう祈祷を行うが、その内容は近世以前に遡るともされる貴重な事例でなのである。 その祭儀に使用される御幣は神々や精霊の形に切られ、その表現の豊かさ、世界観の奥深さに驚きを禁じ得ない(『土佐・物部村 神々のかたち』INAX出版、を参照されたい)。
 祈?や呪術といった習俗を前近代の非合理的なものと言うのは簡単である。しかし、物部では日々のいとなみの中にこうした信仰が生き、いま、われわれが失いつつある自然への畏れを持ち続けているのである。 
 いざなぎ流も過疎化、高齢化により衰退の道を辿っている。このような地域文化を少しでも多くの方に知っていただければと思う。  (雲)

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