天皇の力のありようを美術作品から照らし出す。『天皇の美術史』全6巻

2018/02/21  天皇の美術史

演出された権力荘厳された権威
政治、宗教、そして造形、天皇の力のありようを美術作品から照らし出す!

天皇の美術史
全6巻

今日まで伝わる絵画、彫刻や工芸品。古来、時の天皇はこれら美術作品のパトロネージに大きく関与してきた。古代王権の確立から院政期、武家政権の時代を経て近代皇室にいたるまで。日本の美術史における天皇の役割を、作品の精査と史料の分析によって探り出し、美術と社会との関わりを通史的に俯瞰する。新たな文化史を構築する画期的シリーズ。

 天皇の美術史 全6巻

A5判・上製・カバー装
本文平均254頁・原色口絵4頁
本体各3500円(税別)
全6巻セット本体21000円(税別)

【全6巻の構成】
古代国家と仏教美術
奈良・平安時代

増記隆介・皿井 舞・佐々木守俊著 本文248頁 978-4-642-01731-2
天皇をはじめとする権力者は、造形の受容と再生産を繰り返し、権力や統率力の継承を試みた。七世紀の仏教美術を「古典」と捉えつつ、従来の時代区分を越えて鎌倉時代までを視野に、天皇と古代仏教美術の関係を探る。

治天のまなざし、王朝美の再構築
鎌倉・南北朝時代

伊藤大輔・加須屋 誠著 本文214頁 978-4-642-01732-9
鎌倉~南北朝期の美術史を、視覚の在り方=「まなざし」の力学から考察し深化させる。絵巻物や肖像画を軸とした院政期美術を再検討、未解明の14世紀美術史を体系的に把握。研究の最前線を切り開く、新たな中世美術論。

乱世の王権と美術戦略
室町・戦国時代
髙岸 輝・黒田 智著 本文280頁 978-4-642-01733-6
南北朝から戦国の動乱期、天皇はいかに美術に関与し続けたのか。室町期天皇の知られざる絵巻享受、天皇と天下人による文化の覇権争い。生き残りをかけた王権の美術戦略は、やがて強力なイメージの磁場を生み出した。

雅の近世、花開く宮廷絵画
江戸時代前期
野口 剛・五十嵐公一・門脇むつみ著 本文256頁 978-4-642-01734-3
江戸前期、天皇は独自の美意識で絵師を選び、美術に関与していた。狩野探幽や俵屋宗達が宮廷に好まれたのはなぜか。宗達に始まる琳派の展開や、自ら絵筆をとる天皇・皇族の姿など、雅やかな17世紀京都画壇の実像を探る。

朝廷権威の復興と京都画壇
江戸時代後期
五十嵐公一・武田庸二郎・江口恒明著 本文240頁 978-4-642-01735-0
天明の大火を契機に変化した江戸時代後期の朝廷と絵師の関係を、土佐家・鶴沢家ら京都在住の絵師の活動から明らかにする。史料を博捜し、御所障壁画制作の実態や絵師たちの序列と格付けから京都画壇の実像に迫る。

近代皇室イメージの創出
明治・大正時代  第29回倫雅美術奨励賞受賞
塩谷 純・増野恵子・恵美千鶴子著 本文280頁 978-4-642-01736-7
近代国家の中心に据えられた皇室は、どのような視覚イメージを装うことになったのか。西欧文明との接触で変貌を遂げる伝統的天皇像。その可視化を切り口にして、近代における天皇のありようを、美術史から問い直す。


【推薦します】 (敬称略・50音順)
青柳正規 (東京大学名誉教授・元文化庁長官)
もっとも本質的な視座

橋本麻里 (美術ライター・永青文庫副館長)
巨大な問いに対する手がかり


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