シリーズ 近代美術のゆくえ

ナチス・ドイツと〈帝国〉日本美術

歴史から消された展覧会

ナチス政権下で開かれた伯林日本古美術展覧会。日独メディアの報道内容から展覧会の全貌に迫り、美術と政治が交錯する世界を描く。

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著者 安松 みゆき
ジャンル 美術史  > 日本美術史
シリーズ シリーズ 近代美術のゆくえ
出版年月日
出版年月日とは
製本所から販売会社(取次店)様への、初回搬入年月日を表示しております。書店様毎の着荷日(発売日)は地域等によって異なりますので、予めご了承くださいませ。
2016/01/29
ISBN 9784642038478
判型・ページ数 A5・276ページ
定価 4,950円(税込)
在庫 品切れ・重版未定
ナチス・ドイツと〈帝国〉日本美術

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内容紹介
目次

1939年、ナチス政権下で開催された伯(ベル)林(リン)日本古美術展覧会。戦争へと向かう特異な政治状況下、それまでの偏った日本美術観修正を目指し奔走する関係者の姿と開催までの道のりを辿る。日独双方のメディアによる報道内容を分析し、戦後、負の遺産として美術の歴史から消し去られた展覧会の全貌に迫り、美術と政治が交錯する現実世界を描き出す。

【編集者の眼】
一九三九年、ナチス政権下で開催されたベルリン伯林日本古美術展覧会は、門外不出とされていた当時の国宝や御物を含めた作品が多く出品された日本美術展でした。それなのに、なぜ、この展覧会は、戦後、美術の歴史から消し去られてしまったのでしょう?
著者は、主にドイツに残る新聞や雑誌、映像などの資料を博捜し、この展覧会の全貌を明らかにしていきます。成立に向けて奔走する日独双方の関係者、論評や報道内容の違いから垣間見えてくる両国の思惑、そして何よりも戦争へと向かう特異な政治状況がもたらす作用が一つの展覧会を形成し、演出していく過程が丁寧に描かれています。
本書には水墨画の前で足を止めているヒトラーの写真が掲載されています。このとき、彼は極東の地で描かれた絵画に魅了されていたのでしょうか、それとも政治的パフォーマンスを演じていたのでしょうか?  この写真は、美術と政治が不可分に交錯する世界の姿を実に雄弁に語っているのです。 (糸)

プロローグ 歴史から消えた展覧会/ドイツの日本美術受容(日本美術受容のドイツ的特質/浮世絵・工芸から絵画・彫刻へ/民族学博物館から美術館へ/キュンメルと本格的な日本美術展への切望)/伯林日本古美術展とその開催経緯(成功を約束された展覧会/展示作品の特徴/《嵯峨天皇御影》の日本返還/ロンドンの中国芸術国際展の衝撃/幻の倫敦日本古美術展覧会―古美術展はベルリンへ)/ ヒトラーと雪村筆《風濤図》(《風濤図》報道に生じた日独間の乖離/『わが闘争』の不都合な日本観/ドイツの美術史と《風濤図》)/ドイツのメディアが報じた伯林日本古美術展(資料について/時系列で見る報道・論評の変化/展覧会は専門家によってどのように語られたか/掲載写真と絵葉書に見るドイツ側の評価/ニュース映画における伯林日本古美術展)/ エピローグ 伯林日本古美術展の光と影/関連年表/図表目録