歴史学を中心とする、人文図書の出版
多様な信仰と宗派が密集した北陸の仏教寺院を通し、地方社会の特質を検討。中央権力の影響を受ける一方、自律性を見せた面にも着目。
社会も宗教も混沌とした鎌倉時代において、いかに自らの道を切り開いたのか。『正法眼蔵』から思索と人間像を浮き彫りにする。
鎌倉中期成立以降の称名寺の推移、金沢文庫文書の管理形態を解明し、金沢氏による支配関係や寺院の組織と運営などを考察する。
空也と源信、密教修法、霊場参詣勧進と末法思想など摂関・院政期の時代観・末法観を解明し、新たな平安仏教史研究の指針を示す。
従来空白であった平安期南都仏教の動向を追究する。叡尊の宗教活動とともに、鎌倉期南都仏教の史的意義の鮮明化をめざす。
古代律令国家の衰退後、鎮護国家の祈祷など公共性を失っていなかった国分寺。近世にいたる存在形態・機能を多角的に解明する。
平安時代中期、わが国初の往生伝集を編纂した慶滋保胤の生涯を、源信との関わりなどを通して、浄土思想の発展過程に位置づける。
勧進聖が寄付を募って行き交い律僧が戒律護持を主張した時代。勧進と授戒制から時代を読み、禅・律僧らの活動を分析して問い直す。
寺院と僧侶をめぐる文化史上の諸問題や神祇信仰における仏教の受容を、文献の博捜と遺品・遺構により学際的視点から分析する。
鎌倉期に革新運動を行った南都仏教。その淵源を探り中世的展開を薬師寺・大安寺・広隆寺の信仰などから追求。信仰の内実を解明する。
宗教関係の文献である聖教、東寺文書、一切経、往生伝などの史料を分析。対外交流と政治世界に連動して、日本中世仏教形成史を探る。
政治権力と密着しつつ、社会救済活動も行った禅・律僧の世界を読み解く。官僧・遁世僧体制論を提起し、中世仏教史を再構築する。
僧侶と寺院の動向を検証することにより、鎮護国家の祈願に奉仕した南都仏教の実態に迫る。著者中世南都仏教研究の三部作をなす。
博多・伊勢など教団の全国的展開、港湾・都市的な場との関係に注目。石工集団を組織して五輪塔など死の文化を創造した律宗の実態。
平安中期の天台僧。六十歳で決意の渡宋、聖地巡礼を果たす。現地での日常生活や皇帝との謁見など『参天台五臺山記』から浮かぶ生涯。