歴史学を中心とする、人文図書の出版
鎌倉中期成立以降の称名寺の推移、金沢文庫文書の管理形態を解明し、金沢氏による支配関係や寺院の組織と運営などを考察する。
古代の東北地方は一国史の枠には収まらない歴史的環境にあった。古代国家が東北支配に用いた手段を、国家の辺境政策から説き起こす。
空也と源信、密教修法、霊場参詣勧進と末法思想など摂関・院政期の時代観・末法観を解明し、新たな平安仏教史研究の指針を示す。
縄文時代から南北朝期まで、音楽とその制度の変遷をたどる。平安時代の殿上人と民衆の音楽、鎌倉幕府と雅楽などを追究する。
長足の進歩と遂げた女性史研究は、新たな視覚の必要性も絶えず提起されている。ジェンダーの視点を取り入れ中世社会の諸相を見直す。
鎌倉時代の第一級史料『吾妻鏡』。執権時頼の時代はその編纂とどんな関わりがあるのか。背後の政治的、思想的要因を新視点から暴く。
従来空白であった平安期南都仏教の動向を追究する。叡尊の宗教活動とともに、鎌倉期南都仏教の史的意義の鮮明化をめざす。
源空・証空ら一連の自筆書状の解説・考証をした論文、徳川将軍歴代の生母・妻妾を調べた論文などを収録。新井白石書簡の翻刻を付載。
古代律令国家の衰退後、鎮護国家の祈祷など公共性を失っていなかった国分寺。近世にいたる存在形態・機能を多角的に解明する。
天皇の血縁である皇親の増加は平安朝の政治史に影響を与えた。従来の制度的変遷や「皇親勢力」論的理解を越えて皇親制度を捉え直す。
重要な経済的基盤である荘園経営の実態と変遷を、家政機構等に焦点をあて解明。また公家文化である家業などをとりあげ、特質を究明。
徳政免れのための売券や祠堂銭の研究、古文書学や荘園の検柱や灌漑に関する論考を収める。(解説 網野善彦)
藤原南家や摂関家を中心に、家政と行事や氏寺との相互関係と組織の確立時期を検証、日本の中世は如何にもたらされたのかをも考える。
平安時代中期、わが国初の往生伝集を編纂した慶滋保胤の生涯を、源信との関わりなどを通して、浄土思想の発展過程に位置づける。
中世社会を特色づける徳政論、領主の蔵と蔵本論、東国の流通と地域社会論の視角から、新しい政治・経済・社会秩序のあり方を追究。